いまさら聞けない相続税の仕組み

いまさら聞けない相続税の仕組み

相続対策の専門家が相続問題をさまざまな面から、分かりやすく解説する相続知恵袋です。なかなか人には聞けない相続問題。あなたにとって目からウロコが落ちる回答がきっとあります。毎月発信しておりますので、ぜひご覧ください。

配偶者居住権について

3月号の民法改正で、“配偶者居住用権の創設”との記事を書かせてもらいました。 “配偶者居住用権の創設”とは残された配偶者が、生活資金を確保しつつ、住み慣れた家に住み続けられるようにするための制度です。


今月号では、配偶者居住権の二次相続(配偶者が亡くなった時)について説明させていただきたいと思います。


一次相続で、自宅の土地・建物を配偶者居住権とその他の相続人へ所有権(負担付所有権)で分割した後、配偶者が亡くなった二次相続の時には、配偶者居住権を相続財産として認識するのか?
という事についてです。


答えはNO 


配偶者が亡くなると、民法上、配偶者居住権は消滅します。
つまりは、二次相続で配偶者居住権に相続税はかかりませんし、節税としても考えられます。


配偶者居住権が創設された背景には、前妻の子と後妻など、仲があまりよくない相続人のケースを想定し、後妻の住処をして困らないように。等の理由がありますが、仲の良い親子が相続人のケースでも節税として利用を検討しても良いかなと考えます。

また、配偶者居住権とは別に生前にやる制度として“配偶者への居住用財産の贈与”がございます。

こちらも、残された配偶者がより多くの財産を取得でき、生活保障につながるように設けてある制度です。“配偶者への居住用財産の贈与”とは配偶者が居住用不動産の購入またはその建築資金を贈与されたときに、贈与された金額から2,000万円まで控除することができるという制度です。
贈与税の基礎控除110万円とあわせると年間2,110万円まで、贈与税がかからないことになります。
(ただし、不動産取得税、登録免許税がかかります)
要件として


  • 婚姻期間が20年以上であること
  • 今までにこの特例を受けていないこと(同一夫婦間で1度だけ)
  • 贈与財産は、居住用不動産又は、居住用不動産の取得資金のいずれかであること
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与された(又は取得した)居住用不動産を
  • 居住の用に供し、その後も引き続き居住する見込であること
  • 贈与税の申告をすること


以上がございます。


メリットとして、


・相続税対策

贈与税の配偶者除を適用した贈与は、相続開始前3年以内の生前贈与加算の対象となりません。
たとえ、贈与をした年に、相続開始となってしまった場合でも、特例の適用が認められることになります。


譲渡税対策

この特例を適用して、居住用財産を夫婦の共有財産にしておくと、将来自宅を売却する際に、居住用財産の売却益に対する3,000万円の特別控除という特例を夫婦で適用することができるため、合計で6,000万の売却益まで税金がかからなくなります。ただし、3,000万円の特別控除の特例は、土地の場合、家屋とともに譲渡する土地に限られるため、居住用不動産を配偶者に贈与する時には、家屋部分も贈与しておくことが必要になります。


配偶者や後継者へより多くの財産を残す為の手段としてご活用していただければと思います。


岡村泰

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