【2015年9月発行 ⁄ LIFE & MAGAZINE 株式会社】
「BESTFIRM Magazine2015年28号」にて大成経営コンサルティンググループが紹介されました。
内容は、周辺ビジネスを確立する方法(コンサルティングに先鋭化した会計事務所)についてです。
これまで大成グループを取り上げて頂いた各メディアの記事をご紹介いたします。
【2015年9月発行 ⁄ LIFE & MAGAZINE 株式会社】
「BESTFIRM Magazine2015年28号」にて大成経営コンサルティンググループが紹介されました。
内容は、周辺ビジネスを確立する方法(コンサルティングに先鋭化した会計事務所)についてです。
大成経営コンサルティンググループ (熊本県熊本市) 石本義弘氏、近藤加代子氏
所在地:熊本県熊本市
代表者:会議長兼CEO・石本義弘 会長・近藤加代子
開業年:1993年
拠点数:熊本2点、東京、 大阪、ホーチミン
従業員:63名
本記事の執筆に当たり、熊本本社、東京支社と2回に渡って取材したが、それでも大成経営コンサルティンググループの真の姿を掴めたかどうか心もとない。今回インタビューした代表2名の強烈な個性が、そのまま形となったようなグループの雰囲気を感じてもらうために、ぜひ一度同グループのホームページをご覧になってほしいところだ (www.taiseikeiei.co.jp)。貿易や介護事業など、士業の周辺業務と言える領域をも飛び超えて事業展開するユニークなグループであるものの、経営コンサルティングを主力として総勢60名を超えるまでグループを成長させてきた実績は間違いのない事実だ。会計事務所の枠に捉われないサービスを展開する理由は何か。代表の石本義弘氏、近藤加代子氏に話を聞いた。
一他にはない形でグループを形成されていますね。まずは代表のお二人が資格者ではないという点。そして在籍する税理士、社労士、行政書士などの資格者が、パートナーでもあり共同経営者でもあり、さらに個人事業主でもあるという点
近藤 そうですね。税理士さんや社労士さんには、各拠点事務所全体のお客様を見てもらっています。弁護士以外の主だった資格者が、約15名ほど在籍しています。
ーグループ全体としては60名組ですね。そうした容で、どのようなサービスを提供しているのでしょうか?
石本 もちろん会計事務所がグループの母体であるからには、記帳代行や税金計算を行います。しかし、もっとも大事なこと、社長が知りたいことは、会社の資金繰りやキャッシュフローのことでしょう。記帳代行や税金計算は、確かに会計事務所のビジネスのひとつですが、それは仕事の過程であって、手段でしかありません。我々はその先の、「どうすればお客様の経営を良くしていけるのか」を目的にサービスを提供しています。そうしたニーズはたくさんあるのに、サポートしている事務所が少ない。それは地方でも都会でも同じです。
一会計事務所として何を提供するか。サポートする部分が違うということですね。
石本 私たちは、コンサルティングに特化した形で、相談業務を中心にサービスを提供する会計事務所です。だから、会計帳簿を作ることや税金の計算をすることは、起点なんですよね。私たちの仕事はそこから始まるものだと思っています。多くの会計事務所が、税金の計算をすることが自分たちの仕事だと思っています。でも、お客様に同じお金を使ってもらうなら、もっと付加価値が高い仕事を提供しないといけないと思います。言うならば、弊事務所が提供しているのは、財務コンサルティングですね。
一具体的にどのようなサービスを提供しているのでしょうか?
石本 まず、コンサルティングの意味が分かりますか? コンサルの意味が分からずに、コンサルが出来るわけがありません。本来会計事務所は、そうした意識を持ちながら貸借対照表を見ないといけないと思います。でも、申告書を書くことが目的で、それが最終到達点だと思っている事務所が多い。それでは、コンサルまで至らないんです。
一多くの会計事務所は、提供する資料をツール化することで、誰でも同じようにコンサルができるようにしようと取り組んでいます。
近藤 でもお客様が必要としているもの、知りたいものは、お客様によって違うんですよ。例えばうちでは、資金繰り表ひとつとっても、統一したものを使っていません。業種や経営者によって、毎月、気にしている数字が違うわけですから、その必要な部分だけを提供できればいい。基本はお客様が何に困っているかを担当者が察知して、解決してあげることです。それがコンサルティングではないかと思うんですね。
石本 私もいろいろな会計事務所を知っていますよ。コンピューターで出した資料に綺麗な飾りを付けて、5万円、10万円と言っているんですね。でも経営者が本当に欲しいのは、その中の一枚きり。それだけで充分に商品になるわけですよ。お客様によって、どういう資料が必要なのかを見極め、どのような指導をするかの方が大事なんです。
一そうした指導も、同じフォーマットを使う方がやりやすいのではないでしょうか?
石本 我々には、もともと財務諸表という資料があるじゃないですか。試算表を元にした貸借対照表や損益計算書。それをお客様のオリジンとして作り替えていくのが、私たちの行っていることかもしれませんね。お客様が本当に要求していることは何か。それを分析して、解決出来るかどうか。私が思うには、経営コンサルの仕事は相談に対しての問題解決、提案改善。そして業績としての結果を出すことじゃないかと思うのです。
一でも、そのようにお客様ごとにカスタマイズしていくと、どうしても生産性は低くなってしまいますよね。
石本 例えば弊社でも、コンサルティングと言えるレベルのことをしているのは、5~6名ほどです。お客様の問題解決ができる人材。もっと言えば、問題提起をして改善までできるレベルの人材です。それでも、資料作りや相談には時間をかける。どれだけお客様のために時間を割けるかで、サービスの質が決まります。そうした時間をつくるために、弊グループでは、ベトナムに入力センターを設立しています。
近藤 生産性で言えば、それほど多くのお客様を担当できませんが、その分入力作業がないので、売上は一人あたり年間2千万円を目標にしています。
一お客様はどういう方が多いのですか?
近藤 すごく業績が良い企業か、とても困っている企業か、どちらかですね。その中間のお客様が、私たちの場合はあまりいません。
石本 東京や大阪などには成長意欲が高い企業が多いので、どういう時にどういう問題が起きるのかは、業種ごとで大体同じですよね。
近藤 うちの担当者が言うには、社長に会って話をすれば、何かしら変わっていることに気が付くと言いますね。必ず何らかのニーズはありますよね。
一お話を聞いていて、「一般の会計事務所のサービス」と「コンサル」を分けるポイントは、お客様の悩みごとが何かを知っているかどうかということではないかと思いました。
石本 その通りですね。
近藤 新規のお客様とお会いした時に必ず最初に聞くのは、「お困りごとは何ですか?」という質問です。
一それを解決するのがコンサルなのですね。
近藤 はい。創業時、石本に言われて今でも印象に残っている言葉があります。私は「経験がないので、会計事務所の仕事なんて出来ません」と誘いを断っていたんですね。そうしたら石本が、「会計事務所の仕事なんて、同じことの繰り返しだから誰でもできるようになる。それよりも、人の喜びや苦しみや悲しみが分かる人でないと、会計事務所の仕事は務まらないんだ」と言ったんです。もちろん、数字を見ることは大事ですが、やっぱり一人の人間としての想いのようなものが、コンサルティングの元になっているんじゃないかなと思いますね。
一相手の悩みごとが分かるかどうか。それが全ての起点だということですね。
近藤 帳簿をつけるのは、簿記が出来る人なら誰がやっても同じ結果になる。同じ結果なら、安いところに頼んだ方がいいわけですよ。でも、提案やアドバイスができるのは、お客様に対して想いがあるからだと思うんですよね。
一報酬体系はどのようになっていますか?
石本 基本的には、記帳代行料と顧問料、コンサルフィー、相談料で分けています。月額10万~20万円を払っても、もっと経営を良くしていきたいというお客様も多いですね。特に東京や大阪のお客様にはそうした傾向があります。
近藤 グループ全体の売上では、記帳代行料、税務申告と決算料、コンサルフィーや相談料が、それぞれ3分の1ずつといったバランスですね。
一さまざまな取り組みをされている貴グループですが、今後の展望などはありますか?
石本 今、日本社会全体が人手不足で困っていますが、そうした悩みをみんな一番に私たちに相談してくれるんですよ。うちはベトナムに事務所があるので、ベトナムから研修生を受け入れる体制をつくって、そうした問題解決のお手伝いを進めています。そうやってお客様が困ったときに、相談に答えられることが嬉しいなと思っているんです。
一貴グループは分野を問わず、実にさまざまなビジネスに取り組んでいるという印象がありましたが、それはそうしたお客様の相談に答えてきた結果なんですね。
近藤 そうなんですよ。手を広げて始めた仕事は、実はみんなお客様の相談から始まったことです。
石本 私は、常に時代を先読みした経営をしようと思ってやってきました。今思うのは、こんなことを言っていいのか分かりませんが、私はあまり会計業界に魅力を感じないんですよ。会計事務所には付加価値を付けにくい。だから、あまり会計業界に染まらずに、一経営者として物事を考えていった方が良いんじゃないかというのが、私の考え方です。その方がお客様の気持ちがよく見える。元々、そういう考えが経営のベースにあるんですよね。そうした考え方こそが、本当に付加価値が高いものを生み出すと思っています。だから、会計事務所はもったいないと思うんですよね