1.私は仕事柄あちこちの会社に訪問し、そこに働く人達から様々な話を伺いますが、その中に出てくる1つに『昔は良かった・・・・。』という言葉があります。

2.昔といっても、人によってイメージしている時代や、良かったと思い起こす内容(事柄)も違う為に、それを聞く側としては捕らえどころのないものではありますが、まとめて推量してみますと、昔はもう少しノンビリしていた、職場も和気合いあいと和やかだった、今ほどいろいろ考えなくて良かった、というようなことのようです。

3.このような気持ちになるのは、次の2つのことからも良く分かります。

1つは、私たちの仕事の環境が大きく変わりました。まず、競争相手が国内だけでなく世界に広がったこと。モノや情報があふれていること。スピード化という流れが時間を時刻へと変えてしまっていることです。
この結果、『より良い物を、より安く、より速く』が市場(お客)の求めるニーズとなり、これに対応する為に、仕事は常に時刻(時間ではない)に追われ、頭はフル回転が求められるわけです。《これは企業競争の中で生き残っていく為に、仕方ないことですかね・・・・。》

2つは、昔はそんなに良かったのか・・・?というと、そうではなくて、やはりつらい事、いやな事、苦しい事もあったはずです。私たちは、それを努力で克服してきたのではないでしょうか。
さらに大変ありがたいことに、神様は、苦しかった事、いやだった事、つらかった事は極力忘れさせたり、懐かしい思い出として残し、楽しかった事、嬉しかった事、良かった事だけを思い出させるように、私たち人間をお創りになっているようです。

ですから、つらい事、苦しい事、嫌な事が目の前に出てきますと、ついつい『昔は良かった・・・。』という言葉が、口をついて出てくるのではないでしょうか。

4.『良かった事』を維持していくために・・・・。

いずれにしろ、時代は変わっても、良いことやかけがえのないものは大切にしていきたいですよね。確かに、最近の職場は、仕事をするだけの場とドライに割り切るような、味気なさも見受けられます。
ただ、守る(維持する)ということは、新たなものを創ることよりも、ずっと難しいといわれております。特に現在のように、変化が非常に激しいときはなおさらのことです。

でも、水鳥は、どんなに流れが速くとも、また風が強くとも、平気で水面に浮いています。これは、水面下で一生懸命に足を使って、水かきをしているからです。
私たちも、水鳥に習って、次の2つのことを実践しましょう。
①これからも、厳しい経営環境と生き残り競争の中で、ハードな仕事が続きますが、良いことを守っていく為に克服しなければならない課題には、果敢に挑戦する気概を持ち、お互いに励まし合って頑張りましょう。
②心のゆとり、和やかな職場の雰囲気を保つ為には、仕事と休みのバランスを維持することが大切です。その為には、一人一人が仕事への集中力と頭のフル回転で、時間内での成果を高める努力を続けましょう。

以 上

 

竹馬事務所 竹馬 昭雄でした。
大成経営開発とは、東京都台東区東上野にある会計事務所です。ホームページはこちらから
お問い合わせこちらから